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目覚時計をおとなしくさせる機械
おはよう、青少年諸君。本当のことを言ってくれたまえ。君たちだって、陳腐な目覚時計でこうるさくたたき起こされるのは気にくわんだろう。お目覚めはさわやかでなくちゃいかん。
まあ聞きたまえ。
まず初めに、あの獰猛なベルを取り外して、上等の乾燥した海綿と取りかえるのだ。次に、時計の短針[1]を切れ味のよいペンナイフの刃のようによく研いでおく。君たちが起きたい時間に合わせて張っておいた糸[2]にこのペンナイフが触れると、糸が切れるというわけだ。糸には耐火煉瓦[3]を吊すのだが、これには白い不透明なニスを塗り、出来れば二色のロープをかけておく。糸が切れると、煉瓦は風笛[4]の上に落ち、押しつぶす。この風笛から、前夜セットした時間通りに(いいかね、時計のネジを巻くことや、風笛をふくらますことは忘れないでくれ)、ジェット気流が飛びだす。この気流が糊をきかせた十一枚のダチョウの羽で作った羽輪[5]にぶつかり、回転させる。羽輪が回転すると、君たちがジェノヴァで買ってきた黒い滑車が糸[6]を巻き付ける。糸がマッチ箱の固定個所[7]からマッチ棒を一本引き抜くと、火がついて(そうなんだ、引き抜くと同時に発火するあれだ)栗の重炭酸塩の小型ランプ[8]に燃えうつる。重炭酸塩はただちにあの緑色の炎を上げてcuccuma[コーヒーポット]に入れてある人造コーヒーのにせ物の代用品の模造品を温める。cuccuma(すまんが、もう一度言わせてくれたまえ――cuccuma――ありがとう。いやもう一度、この言葉がとても気に入ってるんだ――cuccuma, cuccuma, cuc――ありがとう、諸君)そう、番号[9]で示してあるあのcuccumaでね。
・ノート
(a) 人造コーヒーのにせ物の代用品の模造品のおいしいのを手に入れたいと思ったら、にせ物づくりの名人を薬種商人のところへ買いに行かせるのだが、休日にはトスカーナ生まれの親戚が代役をつとめているからその時のほうがいいし、君たちは、うまく調合してある着色剤を数ミリグラム、一リットルのミネラルウォーターに入れて、あごにつけひげをつけて、かきまぜるのだ。
(b) 栗の重炭酸塩を買うのは八月、それも月末ごろがよい。でないと、炎の色がいくぶんよくないのだ。
(c) とにかく、一風変わったことをしてみたいと思ったら、たまには、海綿にかるく水をふくませてみることだ。それも、ぬるま湯でね。
(e) じゃあ、きょうはこれで。また会おう。
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